自立しようとする子供
自立というのは、結局、自分というものが確立していることが基本なのです。

思春期の子どもは「甘え」と「反発」の両極を揺れ動いているわけですが、自立心の育っている子どもは、その真ん中に「自分」というものがあります。ところが、自立心の育っていない子どもは、真ん中に「自分」というものがないために、「甘え」と「反発」のバランスが取れないのです。そして、男の子の場合には、極端な行動に走ってしまいがちです。

子どもが遊びで家を作るとき、女の子は人形の家を作り、男の子は木の上に家を作るというように、男の子は外に向かっていく傾向を持っています。男の子の持っている攻撃性も外へ向かっていきます。だから、あんないい子が、あんなひどいことをして……ということになってしまうのです。

紳士とは自分をコントロールできる人

私は、イギリスに行くと、「ジェントルマンであれ」という言葉を、よく耳にします」「紳士であれ」、「この学校に集うものは紳士たれ」という言葉が常にあります。
紳士というのは、きちんと自分をコントロールできる人なのです。

日本では「周りの要求することに従っていきなさい」、「親や先生の言うことに従いなさい」、「おとなしく、人の言うことを聞く子であれ」と言います。この違いはとても大きいです。
一体どちらが自立心を育てるのでしょうか?

日本では、「そんなことをすると人に笑われますよ」とか、「そんな悪いことをしたら、お父さんに言いつけますよ」というように、人にどう評価されるかを基準にしています。しかし、「そんなことをすると、あなたの大事な尊厳を汚すことになりますよ」というところに基準を置かないと、本当の意味の子育てはできないのです。

イギリスで、「自分をコントロールして、自分に誇りを持ちなさい」ということをとても強く言うのは、自分の人間としての尊厳を自分で大事にしていきなさいということです。人の目のために生きるのではなくて、自分の目、自分の判断を大切にしなさいということです。